どちらかと言えば、低体温体質は見逃しがちになり、基礎体温を日常からつけている女性でないと、ご自分が「低体温体質であること」に気づかないことが多いです。
冷えの場合には、明らかに自覚症状が現れるのですぐに気づきやすいのですが、低体温の場合は自覚症状が現れないので、どうしても気づくのが遅くなってしまいます。
「以前と比べて病気がちになったな」と思っても、それが「低体温体質からくるもの」と、すぐに気づく方は少ないと思います。
このように低体温状態は、病気の状態ではありませんが、
「健康体である」とはい言いかねるものがあります。
特に、生まれつき低体温体質でないにもかかわらず、
いつのまにか低体温体質に変わった場合には、
何らかの病気のシグナルである可能性が高いわけです。
妊娠を希望される女性は、基礎体温表をつけることが多いと思いますが、
基本的に、きれいな基礎体温グラフを描けるように妊娠しやすい身体を作ることを目的としています。
もし、基礎体温表に低体温などの異常が見られた場合には、
ホルモンバランスに異常を生じている可能性があります。
妊娠するためには、成熟した卵子がどうしても必要になります。
成熟した卵子が育つためには、
基礎体温表が高温期と低温期の2相に分かれている必要があります。
ところが、低体温体質の女性は、高温期と低温期の温度差がなく、
はっきりとした二相に分かれにくいという傾向が見られます。
そのため、女性ホルモンの機能が十分に働かず、卵子の質の低下を招いたり、
あるいは排卵そのものが行われない(無排卵)場合があります。
妊娠は、成熟した卵子ができてこそ、実現できるのです。
このような背景から、低体温体質は、不妊症になるリスクが高いということになります。
なお、生まれつき、低体温体質という女性もおりますが、
低体温体質だからといって、必ず不妊体質になるというわけでもありません。
生まれつき低体温体質の場合は、きれいな2相の基礎体温表が
描け、かつ身体を冷やさないための日頃の工夫はやはり必要になります。