めまいは、前庭小脳と呼ばれる部分の異常により生じる症状です。
目や耳、手足など、全身の自律神経から送られる情報は、全てこの前庭小脳に集まります。
このとき情報があまりにも多すぎると、自律神経から送られる情報のコントロールが狂い、身体の平衡感覚が保てなくなります。
この狂いからめまいが生じてきます。
身体の平衡感覚が狂うと、身体全体のコントロールに支障が生じるので、めまいだけでなく、頭痛、首や肩のこり、耳鳴り、冷や汗、吐き気などの症状を同時に引き起こすことがあります。
めまいは、一般的に次の二つにわけられます。
回転性めまい | 耳の疾患、脳幹や小脳の病気により生じるめまい |
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非回転性めまい | 自律神経系の疾患により生じるめまい |
回転性めまいの症状は、回りがぐるぐるまわっているように見えます。
これに対し、非回転性めまいは、宙に浮いているようなふらつきを感じます。
ここでは、自律神経系の疾患のときに生じる非回転性めまいについて説明します。
最も多いめまいは、頸性(けいせい)めまいと呼ばれる症状です。
頸性めまいは、非回転性めまいの中で、最も代表的な症状で、
めまいだけでなく、肩や首のこりを伴うことがほとんどです。
頸性めまいの根本の原因は、「デスクワークを中心としたパソコン業務」、
「テレビゲーム」「細かい仕事をして無理な姿勢を保っている」など、
腰や肩に負担のかかる仕事をしている人が、非常に増えたことにあります。
めまいを事前に予防する主な方法を、以下にまとめてみました。
めまいが慢性化する原因として、悪い生活習慣があげられます。
「夜ふかしが多い」
「偏った食事」
「まったく 運動しない」
などは典型的な悪い生活習慣に当たります。
生活習慣が悪ければ、医師の治療を受られても根本的な解決にはなりません。
一度、ご自分の生活習慣を見直してみましょう。
めまいと精神的な気持ちが連動することがよくあります。
例えば、極度の緊張状態もそうです。 その緊張状態が一時的なものでなく、長く続いているようでしたら、性格的な気質を見直してみる必要があります。
あっさりしようと思えば、気質はけっこう変えられるものです。
「持越苦労」「取越苦労」「くよくよする」タイプと思われた人は、あっさりした性格を心がけ、気持ちをリラックスできるように心がけてみましょう。
急なめまいを緩和するために、もちろん薬は有効です。
ただ、めまいが怖いからといって、常に薬に頼っている場合は、身体にとってマイナスです。
めまいが起きているときは、平衡感覚を取り戻すツボ押し、「首をゆっくりまわす」なども効果的です。
元気なときには、ストレッチ体操や有酸素運動を日常生活に取り入れることで、慢性的なめまいを軽減することもできます。
※めまいがひどい場合には、脳に疾患がある可能性があります。この場合は、上記の予防法は行わず、一度専門医の検査を優先的にお受けになられることをお勧めしています。
この頸性めまいと緊張型頭痛は、本質的に同じようなもので、
体型の違いにより、凝る部位が違ってきます。
頸性めまいの大きな特徴は、緊張型頭痛と同じように首筋や背中が
カチカチに堅くなっています。
特に背骨は椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨が重なりあってできています。
この椎骨と椎骨の狭いスキマから自律神経が外に伸びています。
ですから、カチカチに凝り固まった背筋や首筋を柔らかくするだけで、
劇的に改善されることが多いです。
めまいが生じたときは無理をせず、横になるか、楽な姿勢で身体を休める必要があります。
そして、内科や耳鼻科などの専門医に一度、診察されるとよいでしょう。
ただし、通常と違うめまいが生じている場合には、重大な疾患が生じている可能性がありますので、脳外科や神経内科の診断を先に受けられるとよいかと思います。
このように、最初に病院の診察をお勧めする理由は、身体に疾患が現れていないかを確認するためのものです。
耳鼻科や脳外科の検査を受けても異常はなく、めまいが止まらないときは、自律神経失調症の可能性が極めて高いと言えます。
自律神経失調症が原因によるめまいは、病院や脳外科の治療、めまいを抑制する薬ではなかなか治るものでは ありません。
自律神経失調症によるめまいの治療は、鍼灸がとても有効です。
慢性的なめまいに悩まれている方がおりましたら、一度は 鍼灸治療を受けられることをお勧めしております。