不安障害とは、精神的、心因的な悩みやストレスが原因となって不安が強くなり、心理的障害が生じる精神疾患全般を言います。
従来は、不安症の症状は「神経症」と呼ばれていましたが、恐怖症、強迫神経症なども不安から発症する精神疾患であることから、これらの病気を合わせて不安障害と呼ぶようになりました。
精神的な悩みが積み重なると心も身体も疲れていきます。
その疲れが身体に現れた場合は心身症となり、心に現れた場合は不安障害となります。
不安障害として最もよく知られている症状として、対人恐怖症があります。
似たような症状としてあがり症もありますが、若い世代に多い「引きこもり」の原因には、対人恐怖症が見え隠れしています。
又、パニック障害も代表的な不安障害の症例です。
不安障害の症例は様々ですが、自律神経失調症やうつ病が悪化して、不安障害を併発したり、幼少時のトラウマに原因があることも多いです。
不安障害は、気分障害と一見、似たような症状ですが、
気分障害は、あくまで気分のアップダウンが激しくなったり(躁うつ病)、
意欲が長期にわたり、低迷する症状(うつ病)のことを言います。
つまり、うつ病は、気分や意欲に関わる心の病気に位置づけられています。
これに対し、不安障害は、あくまで強い不安が原因となって発症する病気です。
もう少し、わかりやすい言葉で説明すれば、
不安障害は「身体のエネルギーがある状態」に対し、
気分障害は「身体のエネルギーが枯渇しているような状態」にあると言えるかと思います。
不安障害が長期にわたり、うつ病などの気分障害を併発することもあれば、
うつ病が治らないという不安から不安障害を引き起こすこともあります。
不安障害と気分障害の区別がつきづらいのは、
これらの症状が併発して発症しているケースがあることも
原因の一つではないかと思われます。