間質性膀胱炎の代表的な症状は、トイレの回数が
極端に増えたり(頻尿)、排尿時に痛みを生じ、
多い時には1時間に何度も尿意を我慢できないことが
あります。
また、症状が悪化すると膀胱だけでなく、下腹部にも
広がり、精神的な苦痛さえ生じるようになります。
間質性膀胱炎は、潜在的な患者さんまで含めると20~30万人
いると言われていますが、その大半が女性です。
間質性膀胱炎は通常の尿検査で異常がみつかることは
ありません。また、症状が治まっても同じような症状を
再発するケースも少なくありません。
身体の異常を特定して治療する西洋医療では治療法が
確立されてなく、厄介な症状として扱われています。
ここで、自分が間質性膀胱炎なのかどうか、
チェックリスト方式でまとめてみました。
□尿がたまると痛みを生じる
□排尿後、尿がたまったときの痛みは治まる
□残尿感が常にある
□病院の尿検査で異常がなかった
□1時間に何度もトイレに行く
□就寝中でも膀胱の痛みで目が覚める
□膀胱だけでなく、その周辺や下腹部まで痛みが広がっている
□トイレを我慢しても尿漏れすることはない
□柑橘類やカフェインで症状が悪化する
□薬を(抗菌薬など)を飲んでも改善が見られない
上記の症状がある場合は、間質性膀胱炎が疑われるように
なります。
間質性膀胱炎がひどくなると、日々の生活に著しく支障をきたす
恐れさえあります。また、放置すると自然に治ることがありますが、
むしろ、悪化するケースの方が多い疾患です。
間質性膀胱炎は原因不明の疾患で治療がやっかいなのも事実ですが、
治療法がないというわけではありません。
間質性膀胱炎の疑いがある場合は、早めに医療機関で
診察を受けることが望ましいです。
過活動膀胱は、近年、正式な疾患名として公式に名付けられた
排尿障害の一つです。
過活動膀胱は「OBA(over active bladder)」とも言われ、膀胱が正常に
機能しなくことによって、尿漏れや尿失禁を生じる疾患を言います。
過活動膀胱の原因は、膀胱がコントロール不能になることから生じます。
そして、過活動膀胱の原因を分類すると、「神経因性」「非神経因性」 に分けることができます。
神経因性は、脳卒中や脳障害、脊髄損傷などの神経系統の異常により生じます。
これに対し、非神経因性は、神経因性以外いわゆる加齢や骨盤底筋の機能低下などが原因となって生じます。
近年の調査によると、過活動膀胱は高齢者に多く、40歳以上の男女で約12%の人が患っていると言われていますが、近年、若年者による発症率が増えております。
また、原因不明の過活動膀胱は、間質性膀胱炎として扱われております。
過活動膀胱の治療は主に泌尿科で行います。
泌尿科では薬物療法がメインになりますが、補足的に
行動療法、電気による刺激療法を行うことがあります。
行動療法は膀胱や骨盤底筋を鍛えるための運動法で、
電気療法は電気により膀胱や骨盤底筋の機能を高めます。
薬物療法は、膀胱の異常な活動を抑制する効果があるため、
基本的に改善効果は現れます。
これらの治療は対処療法のため、一時的に緩和される
ことはあっても、治療や薬をやめると再発することがあります。
過活動膀胱は、膀胱や骨盤底筋の働きが加齢などによって
著しく低下している状態です。
医師の中には、過活動膀胱の原因は年齢によるものなので、
薬で一時期緩和できるものの、一度かかったら治らないと
主張する方もいます。
そのため、過活動膀胱は慢性化しやすいとも言われています。
もし、このような状態で悩まれている方がいましたら、
一度は鍼灸治療をお試しされることをお勧めします。
これまで、多くの患者さんが鍼灸を行って、症状が劇的に
改善されたという報告は多くあります。
鍼灸治療では、膀胱や骨盤底筋の免疫力を高めることで、
本来の機能を取り戻し、膀胱のトラブルを根底から なくして
いく治療を行っていきます。