頻尿(ひんにょう)とは、いわゆる「トイレが近い」 身体の状態を言います。
中には、「元々、トイレが近い体質」「飲みすぎでトイレが近い」 という方もいますが、この場合は頻尿に該当するでしょうか。
結論から言えば、この状態は頻尿ではありません。
頻尿は、「トイレが近い」という状態が一時的なものではなく、 そして、日々、日常生活にまで悪影響を及ぼしているような時に 該当すると言えます。
一般的に言われる具体的な回数で言えば、「一日に8回以上」
「夜間、寝ている間に2回以上(夜間頻尿)」になります。
頻尿が起きる原因は、男女によって違いがあります。
男性の場合は、前立腺肥大症、女性は膀胱炎が原因となって
生じることが多いです。
これらの他の原因には、細菌・ウイルスによる炎症、加齢、
冷え性、生理・妊娠・産後のホルモンバランスの乱れ などがあります。
頻尿の代表的な症状としては、次があげられます。
「排尿量が少ない」場合は、先ほど紹介した膀胱炎
などにより炎症が生じ、膀胱内にためられる尿の量が
極端に少なくなることが原因としてあげられます。
「排尿料が多い」場合には、水分の摂過ぎ、または、糖尿病
や腎臓病を患っているときに起きることが多いです。
「残尿感を感じる」場合は、男性より女性の方が多い傾向にあります。
この原因は、膀胱炎の他に、「排尿時に使われる筋肉の低下」、
または「強いストレス」による神経性の排尿障害などが
あげられています。
頻尿の原因となる疾患は様々あります。
■膀胱炎
細菌が原因となって膀胱に炎症を生じます。
頻尿の原因として最も有名な疾患と言えます。
■過活動膀胱
膀胱に尿が溜まっていなくても、膀胱が過敏になり、
尿意をもよおすようになります。
■尿意切迫感
尿が膀胱内に少量しかなくても、長い時間留めておくことが
できない症状を言います。
■子宮筋腫
子宮にできる腫瘍を言います。子宮の近くにある臓器にも悪い
影響を与えることがあり、頻尿を生じる原因となります。
■膀胱結石
膀胱内に発生する尿路結石を言います。膀胱炎を併発し、
頻尿を生じることがあります。
■心理的な要因(過度なストレス・緊張)
入試や入社試験、重要な会議のときに尿意を生じることが
ありますが、ストレスが一時的でなく恒常的になった時、
頻尿になることがあります。
■自律神経(ホルモン)の乱れ
自律神経やホルモンの乱れにより、膀胱が正常に機能しなく
なることから頻尿生じます。
頻尿で最も困るのが夜間頻尿です。夜中に何度も
頻尿が生じると、睡眠不足になり、朝の快適な目覚めも
実現できなくなります。
ところで、夜間頻尿の対策に足のむくみを解消するとよいと
いうことを一度はお聞きになった方もいるかと思います。
足のむくみとは具体的にどういった症状かを言うと
「足が膨らんで靴が履きにくくなった」
「足を指で押すと、凹んだ部分が戻らなくなる」
というような症状になります。
足のむくみは医学的には浮腫(ふしゅ)と言われています。
足のむくみは血液の循環と深く関わっています。この血液を
通して栄養や新鮮な酸素、そして水分を体の細胞の隅々まで供給する
ことになっています。
循環がスムーズにいかないと水分が体のどこかに
溜まってしまうことがあります。
足がむくんでしまうのは、水分が足の部分に溜まってしまうことから
起きる現象です。特に日中、立ち仕事やデスクワークのように足が
常に下の位置にある人に多く生じる傾向にあります。
寝るときは体が横になります。そのため、足に堆積した水分が
上半身に移動しやすくなり、夜間頻尿が起きるという理由が
あります。
そこで、夜間頻尿を解消する方法の一つとして、足のむくみを改善
するのが望ましいと言われているのです。
頻尿の改善は、原因別に対策を行う必要があります。
糖尿病や腎臓病が
原因の場合には、もちろん、その疾患を優先的に治療していく
必要があります。
基本的に、最初の治療の段階として、重大な疾患がないかを 泌尿科などで検査を行うとよいかと思われます。
又、ウイルス・細菌による炎症が原因の場合は、
炎症を抑えるための薬の処方が有効です。
原因不明、もしくは検査をしても異常が 見当たらない場合は、
薬の効果が現れないことがあります。
ストレスが原因で頻尿を生じている場合にも、薬の
効果が現れないことがあり、治療法が確立されている
わけではなさそうです。
特に原因不明の場合には、自律神経の乱れからくる頻尿の
可能性が高いです。
「他の治療を受けても頻尿が治らない」、または「慢性的な
頻尿で悩んでいる」という方がおりましたら、一度は鍼灸治療を
お受けになられることをお勧めしております。