「仮面うつ病」という言葉はご存じですか?
仮面うつ病とは、自律神経失調症と、最も間違えやすい病気の一つです。
仮面うつ病は、定義的にはうつ病と変わりません。倦怠感、不眠、頭痛やしびれ、微熱などの身体の不調が現れ、自律神経失調症の症状と非常に似ています。
例えば、次のような実際にあったお話があります。
ある更年期にさしかかった女性が更年期障害ではないかと思い、婦人科に行ったら、予想通り更年期障害と診断され、通院することになりました。
ところが、いつまで経っても症状が改善されないので、薬の量を増やし、様子をみましたが、改善されるどころか症状はますます悪くなるばかりでした。
医師は、自律神経失調症も疑ったが、改善されている様子もない・・・。
そこで、医師が「これはひょっとしたらうつ病なのでは」と思い、抗うつ剤を投与したら、ぴたりとよくなり、元気になった・・・。
このように、専門医でさえも見間違えるほど、「まるでうつ病が他の病気のマスク(仮面)をかぶっているかのように見えてしまう」ことから、『仮面うつ病』という名が付けられたのです。
うつ病患者は、現代社会で蔓延していることは、
すでにご存じのことと思います。
ただ、ここでもう一つの問題が出てきました。
『仮面うつ病』が知られるようになってから、今度は、「原因不明の
よく分からない病気は、みんなうつ病にしてしまえ」という風潮が
出てきてしまったのです。
医師が病気の原因を特定できない場合、うつ病の可能性を疑い
精神科や心療内科を紹介し、うつ病の治療を行わせることがあります。
そうなると、本来うつ病でないのに、うつ病治療を行い、抗うつ剤を投与されることになるのです。
抗うつ剤を飲んだら、症状が悪くなったということはよく耳にしますが、
これは薬の副作用です。
本来、うつ病でないのに、抗うつ剤を投与されてしまっているのですから、
拒否反応は出てくる可能性は非常に高くなります。
そのような背景があって、今、うつ病にかかっている人の2割か3割は
うつ病でなく、実は他の病気であるという調査結果を出した医師もおります。
うつ病の治療を長く行っていて、まったく症状が改善されないという方は、
他の病気の可能性も疑った方が良いかと思います。
現代の超高ストレス社会では、誰もがうつ病になる可能性を持っています。
日本人の5人に1人が、知らない間にうつ状態になっているという調査報告も出ており、
日本では、うつ病患者の約10%しか専門医にかかっていないとさえ言われています。
また、うつ病の根本の原因を調べると、更年期障害や自律神経失調症の病気
が長引き、うつ病を同時に発病してしまうこともあります。
症状が重傷の場合は、絶対に医師や薬に頼らなくてはなりません。
でも、ある程度症状が和らぎ、活動できるレベルまで身体が戻ったら、
再発防止も含め、自分の生活習慣を、無理がなく楽しくできる範囲で、変えていく工夫も必要です。
うつ病になったからといって、ショックを受ける必要はまったくありません。
もとよりうつ病は、正しい治療をすれば治る病気です。
うつ病になったことをきっかけに、今後うつ病にならないだけの健康な心と
身体の健康をこれから作っていけば良いのです。
うつ病になった方は、情緒が豊かで真面目で優しい人ばかりです。
うつ病になったことを不運と考えるのではなく、今後自分自身がもう一段、
大きくなるために神様より与えられたワクチンと思えば良いのです。
うつ病は絶対に直る!
再発も必ず防げる!
『人生の逆境をチャンスとみる』
そのように心がけることが、うつ病から回復するための大きな第一歩になります。