西洋医療で行う治療の中心は薬物投与になります。
精神的な病には、うつ病や躁うつ病、パニック障害など
様々です。
自律神経失調症は正式な病名ではなく、肩こりや
腰痛のような自覚症状に分類されますが、うつ病ととても
よく似た体の不調を訴えるようになります。
そのため、自律神経失調症と診断されたときにもうつ病や
躁うつ病と同じような薬が処方されることになります。
処方される薬の多くは、精神安定剤や抗うつ剤になります。
うつ病であっても自律神経失調症であっても、または、
どの病院であっても抗うつ剤や精神安定剤が処方される
ことが多いです。
抗うつ剤は、大きく分類すると三環系、四環系、SSRI、NaSSAがあります。
精神安定剤の種類は、主にベンゾジアゼピン系とアザピロン系に
分けられますが、日本の病院で使われている多くはベンゾジア
ゼピン系になります。
どの薬のタイプを使うかは先生や医療機関によって異なりますが、
いずれの薬も脳内の神経伝達機能に働きかける作用を担っています。
うつ病も自律神経失調症も主にストレスが原因で起きると言われ、
いずれの症状においてもセロトニンと言われる脳内物質が減少
していることが近年の研究で明らかになっています。
つまり、このセロトニンの減少が脳内神経の働きを低下させて
いるという説が有力になっております。
そのため、うつ病、自律神経失調症のいずれにおいても脳内神経の
低下が生じているため、抗うつ剤や精神安定剤の薬が用いられる
ようになります。
余談になりますが、ある病院でうつ病と診断され、なかなか症状が
改善しないので、他にも2か所の医院に通院したところ、自律神経失調症、
心身症と、全く異なる病名と診断されたという患者さんがいました。
その患者さんは、西洋医療の治療の限界を感じ、鍼灸治療を試す
きっかけとなったのですが、3院とも抗うつ剤や精神安定剤といった
薬物投与による治療という点についてはブレがなかったと話して
いました。
いずれにせよ、自律神経失調症やうつ病、または躁うつ病は一般的な
検査では体の異常を発見できず、異常なしと診断されることが多いです。
どの病名として判断されるかは、医師の判断に委ねられますが、
西洋医療においては、うつ病も自律神経失調症も薬物投与による
治療を行うのが一般的です。