最近眠れず、さらに発汗や手足の冷えもひどくなった・・。
年齢的に更年期の症状と思いきや、ネットで調べたら
ひょっとしたら自律神経失調症の症状かもしれない・・・。
ネットであれ、知人からのアドバイスであれ、更年期障害と
思っていたけど、よく調べてみたら自律神経失調症かもしれないと
いう経験をされた方はきっといるでしょう。
このような経験をされたとき、最初に疑問をもつのは、
最初にどの医療機関で診てもらえばよいの?ということになると
思います。
具体的に言えば、婦人科、心療内科、精神科、内科、脳外科など
医療機関はたくさんあるので、どこに行けばよいのかというお悩み
になります。
結論から言えばこれが絶対正しいという答えはありません。
今、現れている症状が更年期や自律神経の異常でなく、
糖尿や潰瘍、子宮や卵巣の疾患の可能性があるからです。
単なる貧血症でも似たような症状を起こすこともあります。
激しい痛みがあるなどのような緊急性がない場合であれば、最初に
内科や産婦人科で基本検査を受け、体の諸器官に異常がないかの
確認から始めるのが望ましいでしょう。
一通り、基本的な検査を受けて体に異常が見当たらない場合、
更年期障害や自律神経失調症が疑われるようになります。
更年期障害や自律神経失調症の場合、精密検査を受けても
異常が見つかることはありません。
基本検査を受けて異常がなく、現れている症状を踏まえたうえで
初めて更年期障害や自律神経失調症と診断されるようになります。
更年期障害と自律神経失調症の違いはどのような
ものなのでしょうか。
ここで一例を紹介します。
当院で過去に鍼灸治療を行った患者さんの事例ですが、
最初に通った病院では更年期障害と言われ、なかなか治ら
ないので違う病院に診てもらったら自律神経失調症と言われ、
どちらが正しいのでしょうかと相談されたことがありました。
それだけ、専門医でも区別がつきにくい症状であります。
更年期障害の主な原因はホルモンの乱れになります。
更年期は体が大きく変化する時期であり、それに伴い、
生殖器官に大きな負担がかかることで、ホルモン
バランスが乱れやすくなります。
自律神経失調症は文字通り、自律神経の乱れです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、この二つのバランスが
崩れることを自律神経失調症と呼びます。
ホルモンのバランスは、実は自律神経と深い関わりがあり、
自律神経が乱れることが発端となって、ホルモンのバランスが
崩れるようになります。
つまり、更年期障害とは広義の意味で、自律神経失調症の一つの
症状と言えます。