病院に通ってもなかなか自律神経失調症が治らないため、ネットや
口コミなどで調べて、鍼治療に初めて関心をもった方が多いと聞きます。
しかし、鍼治療に興味はもっても、鍼治療に抵抗を感じる方は
以前ほどではないにせよ、まだまだ多いように思います。
最近では、「鍼は太くて痛い」ということを信じている方は
ずいぶん少なくなりましたが、比較的、年代が上の世代では、「鍼は太くて
痛いものだ」と誤解している方の割合が多いように思います。
鍼からの感染症を気にする方も多いように思いますが、
日本における治療技術の進展でこれらの不安が払しょくされ、
現代では、多くの方が安心して鍼治療をお受けになられています。
そこで、多くの方が鍼治療に不安を持っている要因、
「衛生面」や「痛み」について解説していこうと思います。
近年では、医療機関における院内感染が大きな問題になっております。
院内感染とは、患者さんに使用した注射針などの医療器具を通して
エイズやウイルスなどが感染することを言い、感染範囲は
患者さんだけでなく、主治医や看護婦まで広がることで問題に
なりました。
今では、どの医療機関においても感染対策が行われていますが、
それは鍼灸院においても同様です。
鍼から感染するのではないかと恐れている方もいますが、
鍼はディスポ鍼と言われる使い捨ての鍼を使用しており、
医療機関の注射と同様の基準で徹底した衛生管理を行っています。
ちなみに、当院は日本製の鍼(ディスポ鍼)を使用しており、安全を
最優先に考えています。
院内も毎日清掃し、患者さんごとにシーツをその都度交換し、
清潔感を大切にしております。
「鍼は太くて痛い」と思っている人はいますが、
一昔前のアニメや漫画で太い鍼を打たれて、ものすごく
痛がっているシーンが流れていた影響があるかもしれません。
しかし、実際に使う鍼は注射針よりも遙かに細いものです。
毛髪が1mmに対し、通常使用する鍼は0.15mm前後
と髪の毛よりも細い鍼を使用しています。
注射針は0.65mmと太いですが先に穴が開いてるせいで少し太くなっています。
鍼の太さについては治療院によって若干異なるものの
大きな差はありません。
鍼を刺すときは皮膚に対して直角に刺すものではなく、斜めの
傾斜をつけて、皮膚に滑り込むようにして刺していきます。
ちなみに蚊が刺すときの口先は0.8mm前後です。
これを「チクっとした」「痛い」と思う人が稀にいますが、
多くは蚊に刺されたことの気づかないと思います。
鍼灸で使用する鍼はこの蚊の口先とほぼ同じ太さでなり、
心配するような痛みはないと考えてもよいと思います。
なお、当院では行っていないですが、生まれたての赤ちゃんに
鍼を行っている治療院も存在します。
このように日本における鍼治療では、痛みや衛生面の心配を
払しょくしていくよう、日本人の特性に合わせた鍼治療が
行われています。
なお、鍼灸師によっては、使い捨て鍼(ディスポ鍼)
を使用しない先生がいます。
「衛生面を無視している」という鍼灸師は論外ですが、
熟練した鍼灸師の中には使用する鍼にこだわりを持ち、
治療効果の観点から使い捨て鍼をあえて使わないことがあります。
この場合には、オートクレーブ(高圧滅菌)と言われる処理
をしていれば、感染の不安はなくなります。
いずれにせよ、痛さや衛生面に対しては、日本の多くの鍼灸院ては
最善の注意を払っております
感染などの衛生面がどうしても気になる場合にはディスポ鍼を
使用した鍼灸院をお選びいただけるとよいでしょう。
どのような治療方針を行っているかについては、
治療院に直接相談するとよいと思います。