風門(ふうもん)は、風(かぜ)の門(もん)と書き、
風邪はここから入ると東洋医学では言われています。
『門』は、入り口でも出口でもあります。
風邪の菌はここから入ることも出来れば、ここから出ることも
出来るということになります。
そのような理由から、風門と呼ばれるツボは、特に風邪や肩こり、
頭痛の予防や治療に効果があると言われているのです。
風邪を予防するときには、このツボの上にカイロなどを
置いて風門を温めておくと風邪をひきにくくなります。
また、風邪をひき、頭痛や肩こりを生じているときは、
このツボを刺激することで、症状が緩和されます。
つまり、カイロなどで風門をふさぐことにより、風邪の菌が
体内に入りづらくなり、逆に、このツボを刺激することで、
風邪の菌が風門から出て行くことになります。
わかりやすくいえば、風門の出口をふさぐ行為が風邪の予防になり、
出口を開けることが風邪の治療になると考えればわかりやすいかと思います。
首を前に倒すと、首の裏に一番大きなでっぱりの
ある骨があることがわかるかと思います。
そのでっぱった骨から、下に数えて二つ目の突起の骨、
左右外側の指幅2本分離れた位置に風門があります。
このツボの効果的な押し方は、うつぶせに寝て、
リラックスした姿勢で、
左右の風門を同時に押すのがコツです。
やや強めで、約5秒の指圧を5回ほど繰り返えします。
このツボを普段から刺激しておけば、風邪の予防になります。
このツボに使い捨てカイロや、蒸しタオルを当てても効果があります。
背筋が「ぞくっ」として、風邪かな?って思ったときには、風門を刺激するとよいでしょう。
うなじには、風門の他に、動脈や自律神経が存在します。
うなじを温めると動脈の血管が温まって血行がよくなり、
自律神経を整える働きがあります。
風門そのものに、自律神経失調症の症状を緩和する働きはないのですが、
動脈の血行がよくなることにより、自律神経が活性化する働きがあるのです。